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ロシアって?

私たちにとって、近くて遠い国「ロシア」。

「ロシア」という言葉を聞くと、果てしなく続く大地の広がり、大森林、ゆったり流れる大河というイメージが浮かび上がってくる。山あり谷ありで、少し歩けば景観が変わり、様々な多様性を見せる、日本や西ヨーロッパと異なりロシアは国全体がひとつの平原というイメージがある。
見渡すかぎりの大平原は、どこまで行っても同じように見える。
そこでは、何かをする自由とか、新たな活動を求める自由ではなく、どこかへ消えてしまう自由、煩わしいことを忘れてしまう自由を感じさせる。この感情がロシア民謡の惻々と迫るノスタルジアのうちにひびいているのかもしれない・・・。


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お隣の国なのに・・・。
私たちにとってロシアは、実に謎めいた国である。
ロシア人の詩人チュッチェフは、こんな風に書いている。


ロシアは頭だけでは理解できない

並の尺度では計れない

ロシアだけの特別の姿があるから

ロシアは信ずるしかない



ロマン溢れる北の大地「ロシア」への旅!さあ、出発です!

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ロシア独特のトロイカ
三頭立ての馬車は真ん中の馬が正面を向いて走り、
左右の馬がそれぞれ脇の方へ身をそらせて走るという仕組みになっている。
馬には数多くの鈴がつけられていてシャンシャンと鳴り、哀愁をそそる。



凍てつく寒さの冬、「ペチカ」で暖をとった。
煉瓦で組み立ててあり、部屋の壁の中は床から天井まで煙のとおるみちができていて、台所のストーブにも続いている。
裏側は違う部屋の暖房になっている。
煙突のふたを閉めると朝まで暖かい。
ロシア料理は、煮込み料理が多く、その多くはここで作られる。


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ロシア正教の歴史は10世紀末、古代ロシアのキエフ公国の王ウラジミールがビザンチンからキリスト教を国教として取り入れたことに始まる。
ロシア人が多くのキリスト教の中からギリシャ正教(東方正教)を選んだ最大の理由は「美しい」宗教である、ということであった。
タマネギ型のシャポーの形をした教会の美しさ、とりわけその典礼の美しさがロシア人の心を捉えたのであった。




ここで、「ロシア音楽」について少しお話しましょう。

「ロシア音楽」の源は「歌」である。どの国の音楽も、源は「歌」でありますが、ことロシアに関してはちょっと事情が違うのです。 ロシア正教の典礼では、楽器の使用を禁じていました。神様に使えるためには、神が創った創造物=人間が楽器になることが一番尊いことと考えられていた。人間の声。つまり、「歌」である。典礼で楽器が禁じられているとは、どういうことか?ドイツなどへ行くとどんな田舎の小さい教会にも、必ずオルガンがあります。そう、ロシアの教会には、オルガンがないのです。人の声で、全てのミサや典礼を運んでいたのです。全てを「歌」だけで・・・。



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教会内部に描かれている「イコン」。
「イコン」とは、漆喰でコーティングした大きな板に、ルネサンス時代によく使われていた、テンペラ絵の具で聖者や聖書の主題を描いた宗教絵画のことである。
テンペラ絵の具とは、顔料を水に溶きペースト状にし、それを定着させるために、酢と卵黄を混ぜて作った物です。
レオナルド・ダ・ビンチの描いた「最後の晩餐」も、テンペラ絵の具によるものです。

「イコンはそれ自体祈りの対象ではない。それを通して、祈りが聖なるものに届く、いわば「窓」のようなものである。」
イコンはロシア人にとって魂のふるさと、祈りの結晶である。
家にイコンを飾る時、ふつう玄関の真向かいの東側と決められている。
そこは特に「クラースヌィ・ウーグル」(赤い角・隅)と呼ばれ、部屋に入る際、必ずそれに向かって十字を切る。



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そして、忘れてならない、19世紀ロシア文学。プーシキン、トルストイ、ドフトエフスキー。
彼らの肖像画を「移動派」と呼ばれる画家たちが描いていた。
「移動派」は、社会批判的な創作が多い作曲家達の肖像画も描いていた。
彼らはロシア各地を巡回しながら展覧会を開き、自分たちの理念の普及につとめた。
「移動派」はロシア絵画にリアリズムをもたらした。
画家レーピンが、作曲家ムソルグスキーの肖像を描いたことが、彼の「移動派」への指向性を物語るものだったのかもしれない。



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ロシアの広大な大地のほとんどは、農村です。
ロシアの村々にはたくさんの民謡がありました。
作曲家達は、民謡のメロディを口ずさみながら、その断片を音楽の中に取り入れて曲作りをしました。
古くから伝わる民謡は、たくさんの人々に歌い継がれ、ロシア人の魂となりました。
「ロシア音楽」の源は「歌」である。「ロシア音楽」。そこには必ず「歌」がある。そこに「歌」がなければ、それは音楽ではない。そういっても過言ではないくらい・・。



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